日本の医療技術はかなり進化していると言われていますが、亡くなる人の3人に1人は「がん」が原因で亡くなっています。それも年々増え続けており、数年後には2人に1人ががんで亡くなるのは確実と言われています。そこでまず「がん細胞とはどのようなものか?」についてお伝えします。
人間のからだは、約60兆個の細胞からできているといわれています。 これらの細胞は、日々生まれ変わっており新陳代謝することで、維持できているのです。
細胞の死に方には、「ネクローシス」と「アポトーシス」という2種類があります。 「ネクローシス」とは細胞の病的死で、細胞が傷ついたすえに死んでいくものです。そのため細胞膜がこわれ、周囲に発熱や炎症を起こします。皮膚をやけどしたり、腕をぶつけて表面が青くなったり、といったような現象です。
ところが「アポトーシス」とは細胞の自然死で、細胞の中の核が縮小し、細胞が小さく縮んで最後はバラバラになり、やがて食細胞に飲み込まれて処理されていきます。
このため、「アポトーシス」では、周囲の組織に炎症などといったダメージを与えることがなく、静かに消えていくのです。この「アポトーシス」は、それぞれ細胞のDNAに記憶された遺伝子プログラムによって決められています。
細胞の自然死は、生体が生きていくうえでは必要な現象なのです。 私たちは母親のお腹の中にいる胎児のころ、手のひらは、水かきのある水鳥の足のように一枚の小さい板のような形をしています。そして胎内で成長するにしたがって、水かきのところに切れ込みが入り、指が1本1本分かれていくのです。
このとき指と指の間にあった水かきを形成していた細胞は、「アポトーシス」により自然に消滅していきます。これは人間だけの特別な現象ではありません。
オタマジャクシが成長してカエルになるときに、しっぽがなくなったり、またイモムシがチョウに変態するときに、蠕動運動をつかさどっていた筋肉細胞や神経細胞がなくなるのも、みんな「アポトーシス」によって行われているのです。
目に見える変化だけでなく、実は、人間の体の中でも、毎日「アポトーシス」が起きています。 多くの場合は、代謝のために不必要になった細胞を体から取り除くために自然死しているのです。
あらゆる生物のすべての細胞のDNAに、この仕組みがプログラムされ、自分を死滅させる「アポトーシス」のスイッチを持っているのです。
ところが、がん細胞は、本来正常に機能していた細胞が新たに分裂する時に、何らかのトラブルで遺伝子情報にミスが発生したり、発がん物質・活性酸素・放射線などにより細胞に傷がつき、間違った分裂を始めてしまうことがあります。
すると細胞は「アポトーシス」しなくなり、どんどん増殖をはじめてしまいます。こんながん細胞が、健康な人でも一日3000個以上生れていると言われています。
最初は1個のがん細胞も、1個から2個になるのに、100〜200日かかります。これが2個が4個、8個、16個、32個と倍々に増えていきますので、この間隔で増殖し続けると、10〜20年で約30回分裂し、約10億個以上にもなってしまいます。40回目の分裂になる頃には、重さ1キログラム、人間の握りこぶしほどの大きさになり、体のさまざまな所に猛威を奮って、重大な危機に瀕してしまいます。
やっかいなことに、がん細胞には寿命がなくほぼ永久的に生き続けるといわれています。この強靭な生命力をもっているがん細胞が、がん治療を難しくさせているのです。
初めてできた部位から、1センチ以上のがんになると、近くのリンパ節や血管を通って、体中のあらゆるところに「遠征」していきます。そこで、がん細胞の根をはり、また新たに増殖を始めてしまうのです。
これが、「がん細胞の転移」です。
転移場所が多かったり、手術で取り除くことが不可能なところでは治療は難しくなり、余命を宣告されることもあるのです。また、がんを手術により取りきったつもりでも、がん細胞がひとつでも残っていれば再び増殖・転移を繰り返しながら、私たちの体をむしばんでいきます。
これが「がんの再発」です。
がんは他の病気と違い恐ろしいところは、転移や再発を避けることができないのです。がんは、本当に恐ろしい病気です。がんは、「潜伏期」といって全く自覚症状がなく、体の中で増殖していく事がほとんどです。しかし、がん細胞で周りが圧迫され、痛みなどの自覚症状がでてくる頃には、かなり進行してしまっていた、ということが多いのが現状です。
がん細胞は分裂・増殖するためにたくさん栄養分を必要とします。栄養分を横取りされた臓器は、その働きが悪くなってしまいます。すると顔色は悪くなり、体重はみるみる減ってきます。そして体力は衰弱し、皮膚も色つやがなくなってカサカサし、黒ずんでしまうのです。
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